「バースデーワンダーランド」感想
どうもどうも、六箱です。
さぁさお次は2019年4月26日に公開された
「バースデーワンダーランド」です。
大人が泣いた伝説の「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツオトナ帝国の逆襲」の原恵一監督最新作!
と大きく銘打っています。
流石の自分も「モーレツオトナ帝国」は見ましたし、あの昭和の雰囲気はなんとなくわからなくもないので感動しましたし良い映画だったのを覚えています。
バースデーワンダーランドを知ったのは、確かスパイダーバースを見たときの予告か特報映像で興味が出ていたのを覚えていたので5月5日に観に行きました。
ハッキリ言って面白くなかったです。
それはなぜか、そのあたり感想と評価をしていきます。
「バースデーワンダーランド」
総合評価 37点
・ストーリー 6点
・キャラクター 10点
・演出 9点
・構成 2点
・キャスティング 10点
スパイダーバースで高得点をつけてからのこの低得点の落差たるや!
なんでこんなことになったのか…「もっと面白く出来ただろう」というのが素直な感想。
この作品は言いたいことが多すぎて逆に印象的に残っています。友人も観たあとにさんざボロクソに感想を言い合ったものです。
~ここからネタバレ~
・ストーリー 6点
ざっくりと説明すると女の子が異世界に行って救世主になる。という話。
だと思ったがそんなことはなかった。
主人公のアカネは友達関係で学校に行きたくないがために、自分の誕生日の前日に仮病で学校を休むところから物語は始まるんですがもうなんか始まり方が嫌。
自分に自信がなく、思ったことを言えない内気な性格で「できっこない」が口癖のアカネ。叔母のチイの骨董屋に置いてあった手形に触れたことにより、地下に続く扉から現れた謎の大錬金術師のヒポクラテスと弟子のピポが現れ「あなたは600年前に現れた緑の風の女神だ」と言い「私たちの世界を救ってほしいのです」と向こうの世界へと連れて行く。
ここで前向きになれないアカネにヒポクラテスが後ろ向きになりそうな時に重くなる「前のめりのイカリ」を掛けられる。
↑ここテストに出ます。
まず主人公のアカネは最初から最後までほとんど何もしてない。
言われるがまま進み流されるだけ、ある意味内気な子の描写をリアルにしすぎたのだろうか…そこはファンタジーでもいいんじゃないか?
アカネが何もしないせいで、物語を進めるのはほぼチイ叔母さんとヒポクラテス。
最初の村でなんか悪い二人組に絡まれるけど大錬金術師(笑)の力でうやむやにする。
そして向こう側の世界に行ったアカネたちは、世界を救うため水の循環が悪くなった原因の「しずく切りの儀式」を成功させるために王子に会いにいくことに。
道中はまさかの車での陸路。ファンタジーって言うほどファンタジーじゃねぇな!
ここからただ儀式の場所へと向かうだけ、道中ちょっとしたトラブルがあるけどなんか見ていて長く感じた。
いろいろあって儀式の場所につくも悪い二人組に邪魔されたり、その悪者が王子だったり止めて元に戻ったりしたあと、やさぐれた原因の儀式が成功しなければその命を持って儀式を成功させなければならないという自信がない王子のために「前のめりのイカリ」を作ってあげるアカネ。
これで成功するかと思われた儀式は失敗し、王子は井戸の底へ身を投げるがアカネが止めようとして一緒に落ちる。
あ、忘れてた。
この世界には大錬金術師(笑)のヒポクラテスと対をなす大魔法使いカマドウマってのいがいて、こいつが井戸の底にいて王子の決意を見届け賞賛し、儀式は成功する。
儀式の成功で世界に水が届き大万円。
そしてアカネたちは王家に伝わるお礼の品を受け取り帰路に着く。
おわり。は?
エンドロールで後日談映像はあるもののなんともいえないストーリーだった。
・キャラクター 10点
キャラデザがロシア人のイリヤ・クノシノブなので癖のあるキャラデザで、アカネは小学生にもかかわらず小学生に見えないのはロシア人と日本人の違いだろうか。ロシアは小さい子も大人っぽかったりするから…でももう少し日本向けに幼くしてもよかったよね?
クセはあるけどよく動かしていたとは思う。細かい動きやリアクションの作画関係は安定していてとても良かっただけに惜しい。
そういう意味で半々の10点。
・演出 9点
まずどの映画にもタイトルを入れるタイミングがあると思うんですが、バースデーワンダーランドはほんとクソみたいなタイミングでタイトル入れてきたので、そこで個人的に評価が下がりました。
ストーリーはともかく映像としてのクオリティは高かったとは思う。
家の庭の綺麗さ、向こう側の世界の鮮やかな色の花畑や紅葉の美しい並木道、荒野や砂漠、綺麗な川や池・雪原など旅の道中でこの世界がどれだけ美しいかを見せたいのはわかるんですがとても世界の危機が訪れているとは思えない。
危機感が伝わってこないのはどうなのだろうか。
キャラクターの動きや細かいやり取りは作りこまれているが話がついてきてない。
大錬金術師(笑)のヒポクラテスは全然錬金術師らしいことをせずに、ただの案内人と化していておもしろい紳士のおっさんでしかない。
終盤の儀式の描写はとてもよかったが「はい、ここ感動のシーンですよ!」という音楽の盛り上がり演出が臭すぎた。そこまでの話のせいでぜんぜん感動しない。
・構成 2点
構成がほんとクソだと思う。
ストーリー自体はよくあるファンタジーものの世界を救う系なのに
・何もしない主人公
・予備リアクション担当のちっこい弟子
・魅力のない悪役
・見せたいシーンを入れたせいで間延び
・危機感のない救われたい世界
・前のめりのイカリとかいう使いえないキーアイテム
・終盤のいらない謎移動
・スタッフロールによる後日談とつまらない伏線回収
構成がそもそもの問題なのか演出の担当なのかは正直よくわからないけど、ここがもっとちゃんとしていればもっと面白く出来たと思うのに…
・キャスティング 10点
メインキャラのキャスティングは女優・俳優がメインの地雷系
ですがそこまで気になるほどではなかったです。
主人公のアカネは松岡茉優。
誰だ!?って思いましたがどっか見覚えが…あ、大河ドラマ真田丸の源次郎の二人目の嫁の春さんだ!!
演技は声優初挑戦の杏さんの方が正直良かったけどね。
キャラクターの性格もあると思うけど。
そのせいか声優陣であるヒポ役の遠山奈央さんの声が浮いちゃってました。
なんで女優・俳優で客を呼ぼうとするのか…作品が面白ければ自ずと観に行くのに。
確かに徐々に増えるより各ファンで確実の稼いだほうがいいのか…わがんね
■まとめ
「素晴らしい作品を作った人が、次にまた素晴らしい作品を作れるわけではない」という現実を突きつけられる作品でした。
そういう意味では興味深い作品なのかもしれません。
どうあれ文句を言うのは観たからこそ言えるので、みなさんも観ずに文句を言うより観てから文句を言いましょう!!
おわり